「いのちを慈しむ、粥とスープ」秋編、掲載されています(ミセス10月号)

 みなさん、こんにちは。
お住まいの地域は、お変りありませんか。関東では、水害が起きてしまいました。台風が、こんな形で力を及ぼすとは想像しませんでした。曇天、蒸し暑い東京です。また雨が降るようです。



 ミセス誌で始まった辰巳先生の連載も、秋編が登場です。トップを飾るのは、菊のお粥。輝くような黄色い花弁が白粥の上で踊っているように見えます。子供の頃はこの時期、それこそ、そこら中で黒い鉢に堂々とした花をつけている菊や、花壇に並んだ花が当たり前のようにありました。
長いこと知らなかったのですが、9月9日は重陽節句。江戸時代から伝わる五節句の五つ目で、菊のお節句とも言われることから、このお粥なのだと思います。そんな会話をしながらいただけたら、この季節のメニューに定着しやすいかもしれませんね。


 今回のポタージュは、コーンスープ。おそらく、今までに世に出ている先生のレシピは載っていないのではないでしょうか。いつものポタージュのように、じゃがいもを使ってはいません。ブイヨンでトウモロコシの芯を煮出しています。また一段、先生のスープが進化している予感がします。
北海道のトウモロコシもそろそろ終わりと聞きますが、幸いにも手に入れることができたので、早速つくりました。いつもよりたくさんいただきました。ポタージュとご飯の距離が縮まっているように感じました。みなさんも、ぜひ!


 残念ながらすっかり遠ざかってしまっているものに、実りのたんぼがあります。夕日の中できらきらと揺れて輝く稲も、大好きな光景なのに…です。

黄金色に稔り、重く穂をたれた稲。この黄金色の波は、山裾まで広がり続く。この国らしい、最も美しい風景ではないか。麦の緑が折り重なるドイツの田園風景も整然として美しい。ところどころに真っ赤なひなげしも咲く、フランスの麦畑の豊かさ。しかし、黄金色の稔りの美しさ、豊かさはぬきんでている。この国そのものである。

辰巳先生のこの言葉を記憶の中でしか、うなずけないとしたら、護り、続けることはさらに遠いものになってしまいそうです。久しぶりに、秋の田んぼを見に行ってきます。
 

ミセス 2015年 10月号[雑誌]

ミセス 2015年 10月号[雑誌]