母・浜子さんとの日々〜Ku:nel 2009年5月号

とうとう、桜が開きはじめました。来週末ごろが花も人も賑やかな時期でしょうか。

「新版・娘に伝える私の味」を出された辰巳先生へのインタビューが掲載されています。本の内容紹介的な部分が多いように見受けられましたが、最後に先生の願いが記されていました。

ここに書いてあるお料理は、なんでもないものばかりだけど、こういうものを作る食材がこの国に絶えることの無いように

この本の巻頭には、40年を経た新版に求められるものは"普遍性"であると書かれています。それは単なるレシピ集に留まることなく、料理をする我々にそれ以上のものを気付かせてくれるかどうかということでもあり、時代の変化を越える応需性が秘められているか否か…と綴られています。食材が年月を越えて入手できるということは、そうした気付きにたどり着くための大事な前提になっているということを改めて思わずにはいられません。


食材を選び、買うということは、今のことだけではなく、この先それを作り続けるかどうかについての生産者の方へのメッセージになっている可能性ももっているのかもしれませんねぇ。もっともそのためには、生産に関わっている方々となるべく近い関係である方が互いのためにいいように思います。個人的に思い浮かぶのは、縁あって知り合った千葉県山武の方々が作る野菜。毎月楽しみにしているのですが、ここ数回亀戸大根という小ぶりの大根が入っています。繊維っぽさをあまり感じず、普通の大根が木綿豆腐なら絹ごしというような口当たりと緻密さを感じる大根です。ある程度の数の利用者が定期的に野菜を取り続けることで、生産者の方々は新しいことを試みることをサポートしてできているのかもしれません。


ku:nel (クウネル) 2009年 05月号 [雑誌]

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