フレンチとイタリアンと家庭の料理


東京では、開花からもう一週間経ちました。まだまだ、三分といったところでしょうか。。。みなさんのところではいかがですか?
花見を当て込んだイベントがこの週末いろいろありましたけど、風が吹くと寒いの何の(苦笑)。杉花粉のピークは越えたらしく、そちらはほっとしています。


他の教室は分からないのですが、鎌倉の教室に通われてこられる方には、"プロ"の料理人の方もいらっしゃいます。普段お話をする機会などない、そういう方々との会話もまた楽しみの一つです。先日、高知から通われているTシェフにこんなお話をうかがいました。

イタリアンとフレンチ。似ているように思われがちですけど、持ち場が決まって分担するフレンチに対し、イタリアンはひとりでどんどんやるんですよ。

山形にこの店ありとして名を馳せるイタリアン・レストランの奥田シェフを招いて食事会を催した時のことをお話していただいた中で、そんなことを教えていただきました。奥田シェフは、厨房の中で食材を見て、その組み合わせや調理法などをその場で考え、どんどん料理を進めていくのだそうで、フレンチ出身の方々とはまったく違うのだそうです。しかも、会の終了まで予定を越えて4時間、ずっとその勢いというか集中力が途切れないのだとか。


普段とは違うやり方を目の当たりにして、フレンチの方々がどのような発見や気付きを得られたのかは想像に及ぶものではないですが、Tシェフがそんなお話を楽しそうにして下さるのをみていると、きっといろんなことを得られたに違いない…と思えてなりません。海外を旅すると、日本のことが対比として浮かんで来ますよね。普段とは違う地域に旅すると、似た経験をします。食べるということのように普段当たり前のようにしていることほど、そういうことが様々なきっかけになるのだと改めて思われます。


ところで、家庭で毎日されている調理。これはイタリアンとフレンチの双方の要素を併せ持ったものだ、といったら可笑しいでしょうか。素人考えなのですが、そんなふうに思えて仕方がないのです。もちろん、どちらが凄いとかそういうことではありません。教室の裏側で試食していただくためのスープを用意ているスタッフのみなさんの身のこなしや手さばき、判断をみているとそんな思いを強くします。Tシェフの厨房でももちろんそうだと思うのですが、分担しながらも、全体にアンテナを巡らせているのだと思います。台所で複数の料理が次々とできあがっていく様を、お子さんたちは同じような思いでみていたりするんじゃないかと、そんなことを考えながらの教室の帰り道でした。