調味料の力

みなさん、こんにちは。一週間前の雪がまだちらほら残っている東京です。予報では、明日は夜から雪とか。冷たく乾燥した日が続き、風邪やインフルエンザが流行っていることからすると、いいことなんですが…。


さて、先月今月と、塩をかなり使っています。沖縄の塩豚・スーチキージシ作りにトライ中です。塩漬けにすることでうまみが凝縮し、常備食材にもなって、重宝します。塩抜きして、炒め物に入れたり、つまみにしたり。
この時に使っているのが「粟国の塩」。辰巳先生曰く「あの塩を使うと、料理が上手くなったように錯覚してしまうから、要注意」という塩。そう言われながらも、先生の著書でも、教室でも、あの塩を頼りにしているのはみなさんご存知の通り。スーチキージシは、食べる時には塩抜きしますし、塩をまぶして一日二日は水が出ますから、使うのはもっと気軽に使える塩でもいいんじゃないか…なんて思ったこともあります。けれど、染み込んで味の一部になるわけですから、「…勿体無いんじゃない⁉」という囁きが頭の片隅をよぎっても、気が付かない振りをしています。


正月の料理は、塩に限らず、醤油や酢、砂糖に味醂と、調味料をずいぶんと頼りにしました。どれが欠けても、きっと味がガクンと落ちて…と言いますか、変わったものになってしまうのは間違いないでしょう。
ここのところの寒さや雪で、野菜の出回る量がいつもよりも減り、その力も弱い気がします。野菜や魚介などは、天候などの影響を受けやすい分、生産者の方々のご苦労は絶えない訳ですが、そのことで私たちが注意を向ける機会が生まれます。
一方、生産に加工を伴う調味料は、生産者の方々がされているであろう苦労や工夫がどうしても見えにくいように思います。けれど、良い食材が美味しい料理になるためには不可欠な存在。以前見学させていただいた、松本市の大久保醸造(「紫大尽」はここで作られています)では、建物そのものが、醤油作りのための工夫に満ちたものとして建てられていて、驚いた記憶があります。


その一方で、毎年のように、頼りにしている調味料などが、手に入らなくなっています。代わりのものが探されて、今の所は何とかなっているのですが、とても怖い状況です。料理は、自分で作ることができるようでいて、実はいろいろな方のお陰で出来上がるものです。そういう方々に感謝の気持ちを持つに留まらず、一日でも長く感謝し続けられるためにできることは何かないか。今年は今まで以上にそんなことを考え、何かの行動につなげていきたいと思います。みなさんが考えられたり、されていること、アドバイスやヒントがありましたら、どうぞお願いいたします!